「私、死に至る病が欲しいですわ。」
クリスマスプレゼントに何が欲しいか聞いてみると、こんな答えが。
こんな答え帰ってきたら誰だってポカンとするだろう。
聞こえていないとでも思ったのか、雪華綺晶はじっとこちらを見つめて首を傾げた。
「えと…なんで?」
正直、理由なんて聞きたくもなかったが、これくらいしか反応の仕様がない。
(彼女の思考は往々にして理解し難い)
「死に、答えがあるかもしれないからです。」
にっこりと微笑む少女の瞳は狂気一色。
うーん、と考える(フリ)をする。
「でもお前は死ねないんだろ?」
そう言うと少し悲しそう(なフリ)。
「そうですね。特に私は…壊れることもできないのでしょうね。」
エーテル
エステル
夢
現
幻
理想
オワリ
ハジマリ
彼女の言葉は唄のよう。
それを残さず聞いてる自分も、相当変な人間か?と思うけど…
「じゃあ無理だわ。そんなムツカシイのあげらんないよ。」
この、彼女の豆鉄砲をくらったような顔が好きで。
「ふふ…」
狂気を含まない微笑みが愛しくて。
ずっと一緒にいたいから、君には別のものをあげよう。
彼方の人形
どれもこれも偽りだなんて思わないで。
此処にいるよ?