「ねえねえ銀時!犬派?猫派?」
「は?」
顔に被せてあったジャンプが突如なくなり、現れたのは不思議な居候の顔だった。
「犬と猫、どっちが好き!?」
ソファのひじ掛けに器用にのっかる彼女はまるで猫のよう。
(こいつ猫っぽいし猫っていったほうがいいの?)
きらきらと輝くこいつの瞳は俺の苦手なもののひとつ。
(何、これ俺が猫って言うの期待してるの?なんか可愛いんですけどこのぬこオオオオオオ)
「ね、猫…だな。うん。銀さんは猫派だ。」
「そうなんだ!」
答えを聞いた途端、彼女がひらりとソファ飛び降りた。
「聞いてくれ銀時!僕の中では今、セーブルアンテローブが熱いんだ!!!」
「せぶ…は…?」
「すごいぞーセーブルアンテローブはすごいんだ!オスの成獣の角がこんなにあってね…ん?どうしたの蹲って?食あたり?」
ハハ…こいつがこういう奴だって知ってたのにな。
何期待してたんだろうな、俺。
ちょっと涙で視界が霞んできたぜ。
(くそぅ…)
(銀時は大きい犬みたい)